『[よのなか]教科書 数学 数学脳をつくる』 岡部恒治 藤原和博

新潮社 2003/1/30 流し読み A5 ソフトカバー C+ 1300 *****図書館 2003/06/25-06/30

物足りない。数学の考え方をやさしく解説。やっぱ物足りない。著者はひらめきが大事という。「数学は論理だ、という人がいますが、私は、数学ではいわゆる三段論法を積み重ねていく技術だけを学ぶなどという考え方には賛成しません。この”成り立ちそうだ”という「なんとなく」の感覚も大変重要です」という考え方が出てくる。それはそうなのだろうけど、でもやっぱり、高度な技術の上に高度なひらめきが宿るであろう事は疑問の余地がない。フェルマー最終定理が証明された過程を知ってれば分かる話。挙げ句に「企画マンは、本質を見抜いてヒット商品を生み出す!」のが、数学的思考法によるトポロジーだなんて、ちょっとねえ。ダイヤモンド社の本みたい。マッチ棒並べてヒット商品思いつけば苦労しないって。

問題は、本質に遡らないこと。やさしい数学なのは分かるのだけれど、それがどういうことなのか、どういう原理なのか、ということへの遡り方が甘い。だから、マッチ棒並べからヒット商品発案へ、という驚異の跳躍が出てきてしまう。言いたいことは分かるけれども、本の中で実現されていない。

個別に面白かった話。「何故学校にクーラーがないか」扇風機は一校400万円、クーラーは2400万円、この差2000万円×67校=13億円の投資先。バリアフリー化、環境問題、校庭緑化、それともやっぱり夏の一時期だけに必要なクーラーに使うか。以上ある区長のお話。まことにもってごもっとも。資源配分の問題を的確に表現している。もう一つ、新聞は30〜40ページ、一回二回と折って、A4とB5の間くらいの大きさで届く。もう一回折ると30ページの新聞だと30×2×2×2=240ページになる。これでほぼ書籍と同じ大きさとなり、ページ数も書籍並み。一冊の書籍と一日の新聞は同じ情報量がある。ではなぜ新聞130円、書籍は1300円以上、となるかというと、広告があるか否か、ということ。

これら個別の話でCからC+へと評価アップ。

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