『鳥類学者のファンタジア』 奥泉光

集英社 2001/4/10 通読 A5 ハードカバー A 2300 *****図書館 03/07/05-07

柱の陰に誰かいる―フォギーことジャズ・ピアニスト池永希梨子は演奏中奇妙な感覚に襲われる。愛弟子佐知子は、姿も見たという。オリジナル曲フォギーズ・ムードを弾くと、今度は希梨子の前にもはっきりと黒い服の女が現れた。あなた、オルフェウスの音階を知っているとは驚いたわ。謎の女は自分は霧子だと名乗り、そう告げた。混乱した希梨子は、音楽留学でヨーロッパに渡り、1944年にベルリンで行方不明となった祖母・曾根崎霧子ではないかと思い当たる。そしてフォギーは魂の旅へ―。光る猫パパゲーノ、土蔵で鳴り響くオルゴールに導かれて、ナチス支配真っ只中のドイツ神霊音楽協会へとワープする。

490頁二段組みの長編小説。面白かったです。以上。小説は読破数が足りないので評論の仕方が分からないね。気づいた点。女性の小説は、「地の文」と「会話の文」の分離があやふやなところが特徴だ、とどこかで聞いた。小説全体が二葉亭四迷も真っ青の言文一致体と。この小説を読んで、主人公が女だけにそういうところに気を配って書いているのだな、ということは感じた。

面白い。でも単線的なのかな〜。広がりはあまりない気がする。結構大風呂敷は広げている。でもそれほど大きな話という感じはしない。もっとも、そういうところは狙ってやっているのだろうけど。音楽を言葉で表現する、というかなり無理なことはある程度成功していると思う。音楽は聞こえてこないけれど、音楽の演奏者、聴取者の陶酔は伝わってくる。あと佐知子ちゃん萌え。表題の意味は無学な私にはわかりませーん。そのうちわかるのかしら。

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