『ちょっとピンぼけ』 ロバート・キャパ 川添浩史・井上清一訳

文春文庫 1979/5/25 初版1992/2/5 第20刷 通読 文庫 文庫 B 440(100) 自 2003

キャパの小粋でクールな自伝。後書きなどで戦争の悲惨とつなぎ合わせて語られるが、全くそういう感じではない。時にキャパは死者負傷者を撮ろうとして怒りを向けられ、自問するが、それは例外的な状況であって彼の本質ではない。彼はやはり戦場にいることを喜んでいるとしか思えない。キャパも人並みの恐怖心を覚えながらシャッターを切っている。多分多くの戦場カメラマンが、砲弾や銃撃に怯え、それでも高ぶって写真を撮っているのだろう。平和のため、真実のため、という彼らの「言い訳」はどこまでも虚しい。そういうことをグダグダ説明しなくても良かった時代であり、キャパはそういう人格でもあった。

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