『大学講義 野望としての教養』 浅羽通明

時事通信社 2000/6/30 通読 A5 A+ 2200 **中央図書館 2003/3/9

1.教養という野望:『大学で何を学ぶか』を敷衍した教養とは何か、教養の意味。2.「相続」が衰退した時代の”教養復興”:都市化による教養の変貌、相続=財産ではなく「生きる方法」を継ぐ 3.啓蒙のジレンマ 個我の確立の欺瞞 4.5.6 近代以前 教養はいかに消費されたか 寺子屋の様子 和算家 朱子学と憲法のイデオロギー 7.「トイレの花子さん」のために 8.9.名前 人格統合、多重人格、名前の表すもの 10.11「個は部屋が作る」 人権思想は国家によって保証される 家のあり方と個について 12.神と演技 個室の誕生、告解制度が自我を要求する 13.ひきこもる知のメカニズム 超越錯覚 高いところから見下ろす視点→知、教養 塔上のマッド・サイエンティスト 大久保長安の物語 世界鳥瞰者の孤独 15.大学のハルマゲドン 大学と世間とをこれから結ぶもの

法政大学の講義集。講義形式で口語体で書かれているが、うまく編集してあり、わかりやすい。話が横道にそれて回収しきれない部分も多く、講義の雰囲気をうまく伝えている。現代の教養の意味を探るのがメインテーマだが、あまりメインテーマに沿っているとは思えない。話題は社会学全般を豊富で面白い事実から帰納していき、飽きることがない。職業知識人、つまり大学の講師らが、これからどうやって生活していくのか、学問の効率、文化水準の向上などのお題目を、甘えと一喝する。ちょっと耳が痛い。ただ、このことが浅羽にとってどうやって解決されているのかは疑問。まさか市場原理を見据えて需要のある本を書いているからOKとするわけにもいくまい

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