『近代アジア精神史の試み』 松本健一

中央公論社 1993 斜め読み B6 ソフトカバー D 1600 *****図書館 03/8/9

全然ダメーーーー!言語明瞭、意味不明瞭。特に序盤数章は橋川文三にベッタリ。吉田松陰、佐久間象山、重光葵、この手の話には欠かせないキャラが続出するけど、常に私はこの著者に問うてしまう。「だから何?」と。さっぱり何がいいたいんだか分からない。あるいは、分かり切ったことを確認するだけ。元がエッセイだからってこれはない。章ごとに分けて考えてもアジア精神史はさっぱり見えてこない。引用ばかりで著者の意見はどれだかわからない。

唯一「へぇ」と思ったのは、スカルノのインドネシア独立宣言の日付は「05年8月17日」であり、05年とは皇紀2605年のことだ、という話。そして、スカルノは日本を利用したのだ、という話は多分その通りで、正しい。でも、これで話が終わってしまうところがこの本のダメなところである。それは起承転結の結ではなく、起、せいぜい承に過ぎない。俺ならこれを話の先頭に置いて、読者を掴む!佐久間象山とか気取った引用なんかしなくていい、この話を広げるだけで一冊本は書ける!はずである。

読む必要なし。これを読むくらいなら丸山真男を、橋川文三を読むべし。苦労はしても必ず得るものがある。

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