『科挙』 宮崎市定

中公文庫 1963/4初版・1984/2文庫第一刷 通読 文庫 文庫 B 360(100) 自 2003

科挙のシステム、つまり県試、府試、院試、歳試、科試、郷試、挙人覆試等を、事実列挙の形で延々書きつづる。最初こそ面白いが、途中で飽きる。科挙は難しく厳しいのは当たり前だが、因果応報的な合格エピソードや不合格エピソードが色々あり、著者はそれを書くのに結構なスペースを取る。現代からの展望として、科挙は優れたシステムだったが、それ故に学校制度の発達を拒んだ面があり、中国の近代化を妨げたとされる。とってつけたように日本の受験地獄との関わりを考えているが、説得力はない。科挙は武官についてもあったが、重要性は低い。文人統治を支えるものとして科挙は非常に役に立った。北宋以後中国のクーデターは息を潜めることになる。

戻る ジャンル別分類へ戻る

SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送